Album songs:
Album Intro:
もう一方の『ゆらゆら帝国のめまい』と同時リリースのフル・アルバム。サイケデリックで本格志向の3ピースバンドというイメージはいとも容易く瓦解すること必至のイマジネーションにあふれたこの作品、まずはポストロックやエレクトロニカ的なアプローチのオ―プニング「ハラペコのガキの歌」で開幕。全編に印象的な女性コーラスを配したり、極端にエフェクトのかかったビート、単に音の1コと化したギターなどが、バンドというスタイルから存分に自由に聴き手を翻弄する。閉塞(へいそく)感に満ちたLyricsそのものもリアルだが、そうした不安感や不条理をサウンド・プロダクションの域に高めているのが衝撃。社会的側面とセクシャリティの見事なまでの共存。
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